昨今では原作が劇場化やドラマ化されるほど、注目を浴びている辻村深月さん。

直木賞を取る前からこの方の作品は好きで読んでいたのですが、辻村さんの作風は、物語の中で絡み合う人々の感情の流れがとても繊細で、読んでいると辛くなることもありますが、読後感はとてもさわやかで、風が抜けるような感覚を味わえるのが特徴だと思います。

とても繊細な感情の流れが辛くもあり、色々な感覚を呼び起こさせてもくれます。

時にはぶつかり、時には傷つけ、前へ進んだ先にある一筋の光。

読んでいる間は、感情移入してしまいとても辛くなるのですが、読み終わった後は、その苦しさが嘘のようにすーっと軽くなります。

そんな辻村深月さんの作品から、個人的おすすめをご紹介します!

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辻村深月さのおすすめ作品2選!

冷たい校舎の時は止まる 上・下

著者:辻村深月
出版:講談社

辻村深月さんの最初の作品になります。
出版されている辻村さんの作品を読んでも、やはり私はこれが一番好きです。

辻村さんの作品は、登場人物が他の作品で出てきたりと、リンクすることが多いのですが、この「冷たい校舎の時は止まる」だけは独立した作品となっており、冷たい校舎の時は止まる、のキャラクターたちのその後を描いた短編集、ロードムービー以外に、この作品の登場人物が出てくることは今のところないです。

大学受験を控えた高校3年の冬、雪の中集まった8人の学友たちは、突如、無人の校舎の中に閉じ込められてしまいます。
不可解なこの出来事、8人の中には、1人の人物が思い当たります。

それは、学園祭で自殺したというクラスメイト。
けれど、誰ひとり、自殺したクラスメイトの顔も名前も出てこないのです。
ぽっかりと空いた記憶の一部。

これが校舎に閉じ込められてしまった事件に深く関わっていき…
高校3年生という、一番多感な年代の学生生活。

その学生生活の中で起こる様々なしがらみや、ぶつかり合い。
誰しも思い当たる感情がどこかに描かれているかもしれません。

学園ものではあるものの、ダークファンタジー要素もあり、息もつかせぬ展開が待っています。
閉じ込められた学園の謎と、物語のキーを紐解きながらも、甘酸っぱい青春の日々を思い出すかもしれません。

1冊完結!ぼくのメジャースプーン

ぼくのメジャースプーン
著者:辻村深月
出版:講談社

辻村さんの作品は、上下巻であることが多いのですが、これは1冊完結です。
主人公が小学4年生という難しい年頃な上に、小学生にその問いかけをするのか、という重いテーマが隠れています。

大人でも、納得させる明確な答えを出せる人はどれだけいるのだろうか?という問。
一般的な回答をすることは出来ます。

けれど、この問をするに至った、小学4年生が考えて選ぼうとした選択。
大切なものを壊され、それに抗う力があるとしたら?

小学4年生の「ぼく」が抱いた後悔と憎悪。
そして自分の「ある能力」に子どもながら向き合おうとする強さに、一緒に悩み、苦しみ、そして最後に見える希望の光を、是非、手にしてみてください。

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最後に

辻村さんの作品は、どれも大好きです。
けれど、最初に伝えた通り、読んでいる間はとても辛く苦しい。

あまりにも繊細な感情表現に飲み込まれてしまうのです。
その分、登場人物と一緒に悩み、苦しみ、前へ進むための答えを出した先には、さわやかな風が吹きます。

空に抜ける風のようなさわやかな読後感はおすすめです。